名刺を忘れたらどうする? いざというとき再確認したいビジネスマナー
名刺を忘れるのは、ビジネスパーソンにとってあまり好ましくないことです。できれば避けたいことですが、人間であればたまにはうっかりミスも発生してしまうでしょう。大切なのは、名刺を忘れた時の対応とその後のアフターフォローです。
あらかじめ名刺を忘れた時に、どのような対応をすればよいか頭に入れておけば、いざというとき慌てずに済みます。では、具体的なアフターフォローについて解説します。
名刺を忘れた時の対応
名刺はある意味、渡し手であるビジネスパーソンを表します。仕事を始めるうえで、相手に知って欲しい自分の情報が含まれています。でも、そんな名刺をうっかり忘れてしまうこともあるかもしれません。名刺を忘れたり切らしたりして名刺交換できないのは、ちょっぴり恥ずかしいこと。
ただ、忘れた・切らした事実にヘコみ続けるのはNG。アフターフォローをしっかりして印象のマイナスを最低限に抑えるのが大事な姿勢です。
お詫びして部署名・名前を伝える
まず、大切なのはお詫びです。交換の場で名刺がないことに気づいても、決してあたふたしないでください。
謝罪の言葉は「忘れた」ではなく「切らした」を使う
相手の目を見て、「申し訳ありませんが、今、名刺を切らしております。お渡しするのは後日でも良いでしょうか?」と伝えましょう。このとき大切なのは、「忘れた」というのではなく「切らした」と伝えることです。
どちらも不注意ではありますが、「忘れた」は「切らした」よりも印象が悪く、仕事をするうえで相手に不安を抱かせてしまいます。かならず「切らした」という言葉を使うようにしましょう。
へりくだりすぎない
さらにお詫びを伝えるときは、あまりへりくだりすぎないのも大切です。やりすぎると頼りない人物に見えてしまいます。かといってヘラヘラしているのも、もちろんNG。ハキハキとしたトーンできちんと伝えれば、相手に与える不安や不快感も少なくて済むでしょう。
口頭で会社名や部署、名前を伝える
名刺がないときは、口頭で自分の会社名、部署、名前を伝えます。聞き間違えの多い電話番号やメールアドレスは、口頭で伝えてはいけません。これらは紙に書いて渡すと親切です。
後日送付する必要があるか確認する
お詫びをしたあと、後日に送付をする必要はあるかを確認しましょう。このときの返答は「次回で構わない」と言われるか「よろしくお願いします」と言われる2パターンがほとんどです。
次回でかまわないと言われた場合
次回でかまわないと言われた場合、その言葉どおり次に顔を合わせたときにお渡しするのでも構いません。その際には「前回は大変失礼いたしました」とお詫びの言葉を忘れないようにしましょう。
また、もし次回まで期間が空いてしまう場合、時間を見て直接立ち寄って渡したほうが好印象です。このとき、手書きのお詫び状も一緒に持参してください。
名刺交換のためだけに相手の時間を奪うわけにもいかないため、受付に渡したら、さっと会社を出ましょう。受付のいない小さな会社の場合でも、「名刺をお渡しするために立ち寄らせていただきました」とだけ伝えて、早々に切り上げるのがマナーです。
よろしくお願いしますと言われた場合
先方が郵送を希望する場合は、会社に戻ったらすぐに準備をしましょう。速達で少しでもはやく届くように手配することが大切です。また、名刺だけを送るのも失礼にあたります。持参するときと同様に、お詫び状を一緒に沿えて名刺をクリップで止めておくと、心象が良くなるでしょう。
お詫び状に修正液は使わない
お詫び状に限らず、大切な手紙には修正液を使わないのがマナーです。間違えてしまった場合、新しい紙に書きなおすようにしましょう。
手書きでよいので即席で作る
即席で手書きの名刺を作るのも、ひとつの方法です。渡すタイミングは、帰り際が良いでしょう。自社名・部署・名前と必要な情報だけをさっと書いて渡します。
「後日、正式なものをお渡ししますので」と一言沿えるのも忘れずに。情報が手元に残っておくことで相手も連絡が取りやすくなり、機会損失をいくらか防げます。また、相手に臨機応変に対応できる能力と仕事への熱意を印象付ける効果も期待できます。
後ほどメールで連絡をする
少しでもはやく相手に情報を伝えなくてはならない場合、メールで名刺情報を連絡するのもひとつの手段です。名刺の画像を添付すると誤りがありません。「先日は大変失礼いたしました。」とお詫びの言葉をつけるようにしてください。
メールで名刺情報を送ったあとは、本物の名刺も郵送か手渡しで相手に渡るようにしましょう。メールだけ送って本物を手元に届けないのは、相手の心象を悪くします。
入社したてで名刺が配られていない時の対応
通常、会社は入社した社員に早い段階で名刺を配布するものです。しかし、何らかの手違いで名刺が渡されていない、もしくは名刺を渡される前に営業先に同行することになった、といったケースもあるでしょう。
この場合、先方には正直にその旨を伝えて大丈夫です。「名刺ができ次第、お渡しいたします」と一声かけると、より丁寧です。
しかし仕事をするうえで名刺がないのは、相手にも失礼であると同時に、自身も居心地が悪いものです。営業先に同行が決まった時点で、会社に名刺の支給をなるべく早くしてほしい、と伝えるようにしましょう。
名刺の情報が古い・ボロボロな時の対応
部署や電話番号が変わったばかりで、新しい名刺の製作が間に合わない、という例もあります。その場合、時間に余裕があれば印刷をしたラベルシールを訂正箇所に貼ったもので代用してください。
時間がない場合は、ボールペンで二重線をひき訂正内容を手書きで記します。どちらも渡す際に、後日新しくできたものをお持ちしますので、と伝えるのを忘れずに。
名刺がボロボロだったときは、そのまま出すと相手も驚き、呆れてしまうかもしれません。ボロボロの名刺しか持っていないときは「今、きれいな名刺を切らしています。きちんとしたものが用意できしだい、お渡しします」と伝え、忘れた時と同じ対応をしましょう。
ボロボロの名刺は、そもそも名刺入れにストックしておくものではありません。使えそうもないと判断したときは、すぐに処分をしきれいなものを用意するのが社会人の常識です。間違って渡してしまう可能性もあるため、ストックした名刺のチェックはこまめにしておきましょう。
そもそも名刺を忘れないための確認事項
名刺を忘れても丁寧な対応をすれば、いくらか心象悪化は防げます。しかし、それでも忘れないのが1番です。
常にストックを怠らない
忘れないように名刺入れには最低でも10枚以上のストックを入れておきましょう。外回りの営業が多い方なら、50枚はあると安心です。名刺入れが薄くなってきたな、と感じた時点で補充をするクセをつけると良いです。
予備の名刺を持ち歩く
忘れたときのために予備の名刺を用意しておくのも有効です。手帳のポケットや資料をはさむクリアファイルに数枚入れておくと、名刺入れを忘れたときや中身がからっぽの時でも、焦ることなく対応ができます。シワや折り目がつかないよう、注意して保管をしましょう。
名刺の印刷を最速でした場合、どれくらいかかる?
名刺の印刷を依頼した場合、発注をかけた時間によっては即日で出荷ができます。ただし、入金が遅れたりデータに不備があったりすると納期が遅れるため、注意が必要です。オンラインで依頼をする場合はデータに漏れや誤りがないかを、よくよく確認しましょう。
「その場ですぐに欲しい」という方にはコンビニプリントが便利です。名刺のPDFデータをスマホに保存し、コンビニプリントができる名刺アプリをインストールすれば、1枚100円ほどで即席の名刺が作れます。
でも、コンビニで作った名刺ははさみで分割しなくてはいけないため、切り込み部分はガタガタです。プリント機によっては、紙が名刺に不向きなものもあります。仕上がりには即席感が拭えないため、「どうしても今すぐ必要なのに名刺が手元にない」という限定されたケースのみの使用がおすすめです。
名刺を忘れてしまった瞬間はヒヤリとするものです。しかし、適切な対応をとれば、お客様からのイメージダウンを防ぐこともできます。名刺を忘れてしまったときのマナーをきちんと守って、臨機応変に対応できるビジネスパーソンを目指しましょう。
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